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カヌースプリント U23の挑戦 遠藤環太 今西陸人 (立命館大学)

カヌースプリント 今西陸人と遠藤環太
今西陸人と遠藤環太 オーパルにて(滋賀県大津市)

一年程前、彼らがまだ高校3年生のとき、それぞれの進路についての考えを聞かせてもらったことがあった。カヌーの競技者として、五輪、引退後について。彼らは多くの社会人から話を聞き、自分がどう進むのかをいくつもの選択肢の中から決断していた。その時、印象的だったのはこの言葉だった。「次の世代、またその次の世代の選択肢を作りたい。」
遠藤 環太、今西 陸人、立命館大学に進学した二人の現状、変化、課題と目標について話を聞いた。

大学進学による練習環境の変化について

ー高校と大学の練習の違いー

遠藤:大学に入学して練習時間が自由になりました。朝でも夜でもいつでも練習が出来るという点では凄くやりやすくなりましたが、毎日の変則的な授業時間に合わせて練習を入れていかなければいけないので、より計画性が重要になったと感じてます。立命館大学は全体練習が多くなく、週末と平日の数回なので、それ以外は自分の考えたメニューを好きな時間にやることが出来るので、楽しくやれてます。

今西:高校の時と違って、自分で考えて練習をするという形になって、自分としてはそれが凄くやりやすいと感じてます。短所を克服する、長所を伸ばすなど、目的を持って考えたことが、直ぐ行動に移せるので、その点はすごく良かったと思います。

ー難しかった点ー

遠藤:立てた計画をうまく試合にもっていけない事があって、昨年は順調という訳ではありませんでしたが、逆にそれが発見になりました。具体的には、有酸素トレーニングを重視するあまり瞬発系トレーニングが疎かになり、スピードが足りないという状況になっていました。その失敗があったからこそ、昨年1 0月からメニューを見直し、今は順調に来れていると思います。

今西:自分は出来てると思っていても、江口さんとお話しするとまだまだ詰めが甘く、自分を見つめ直すというか、自分の事を理解出来ていなかった事に気付かされました。練習はしていましたが、その方向がズレていたり、もっと頭を使って練習していればより伸びていたのかと思います。

カヌースプリント 今西 陸人 (立命館大学)
今西 陸人 (立命館大学)

ピッチ数という視点

遠藤:U23の1000mシングルに出場して、後半はそれ程離されないのですが、最初の250mで圧倒的な差が開いてしまって。その話を江口さんとしてて、スピードが足りてないと。ある時ピッチ数の話になり、僕の場合は回しても90〜95、海外の選手は110〜115くらい回ってて、そうなると1分間に20パドル違う。1パドルで2m進むとしたら、1分漕げば40m近く離される。そこに気付いてから、ピッチ数を意識したメニューを組むようにしてます。調子の悪い時でもピッチ数を維持すればある程度のペースは維持出来ますし、練習の質も上がり、今は歯車が少しずつ噛み合ってきたような感じです。

今西:自分も今まではスピードと心拍数を意識したトレーニングをしてきましたが、ピッチ数の話を聞いてから、新しく意識する項目が一つ増えたというか、新しい感覚で練習が出来てます。ピッチ数を上げるだけでスピードが出てないと意味がないので、今はピッチ数とスピードを繋げる事を意識してます。

「本当に好きかどうか確認した方がいい」 遠藤 環太

遠藤:僕はカヌーを好きでやってて良かったなって思って。好きだからこれだけしんどい練習もやれてるし、最近では練習行くのも楽しいと思えます。漕ぎも上手くいってて、自分が体験した事がないペースで漕げたり、スピードが速くなってきたり。毎年毎年新しい発見がある。だから好きでいられると思ってます。もし高校生や中学生がカヌーを嫌々でやってるなら一度自分の気持ちを確認した方が良い。僕がカヌーを好きでなかったらこれ程頑張れていないと思うから、本当にカヌーを好きかどうかを自分で確認するという事は重要かなって思います。好きでないなら好きでないなりの対策も考えなければいけないので。

カヌースプリント 遠藤 環太 (立命館大学)
遠藤 環太 (立命館大学)

「継続するだけでも意味はある」 今西 陸人

オーパルの練習は今でもゾッとするような量でした。凄くシンドイというか辛い練習メニューだったんですが、それでも踏ん張ってきて、乗り越えてきて、中学、高校の6年間ほぼ休む事なくやりました。それがあったから大学の練習に入っても、それほど驚くような事もなく練習に参加できています。オーパルであれだけの練習をやってこれた事が今は自信になってます。自分は乗り越えて、乗り越えて、乗り越えてという感じでやってきました。中学・高校時代、毎日来て練習するだけでも凄く意味はあると思うから黙々と続けて欲しい。継続する事は大切だと思います。

それぞれの目標

遠藤:僕は国内の大会で優勝したい。インカレはもちろんですし、国体もチャレンジしたいと思ってます。僕は優勝の経験が少なく、大事な試合はずっと2番でした。2番でも海外の大会に出場する事はできました。でも国内の大会でしっかりと優勝できる実力を付けてから海外に行きたいと思います。

今西:立命館大学の総合優勝に貢献出来る選手になりたいです。1回生でインカレに出場し、2回生になれば後輩もいるので、チームの為に活躍出来る選手になる事が今年の目標です。海外に挑戦するにはまだまだ競技力が足りていないので、その可能性を広げるという意味でもしっかりと結果を残せるよう頑張りたいと思います。

カヌースプリント 今西陸人(左)と遠藤環太(右) オーパルにて
今西陸人(左)と遠藤環太(右) オーパルにて(滋賀県大津市)

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