Coach

5年ぶりのインターハイ出場 愛知県立三好高校カヌー部 監督 田中直美

カヌースプリント 愛知県立三好高校カヌー部
三好高校カヌー部のミーティング風景 愛知県三好池カヌー艇庫

5年ぶりだった。三好高校がインターハイの舞台に立ったのは。2019年インターハイ カヌースプリント 種目 女子シングル、フォア出場。

カヌースプリント競技 インターハイ出場への取り組み

愛知県は国体でも総合優勝を狙えるような、全国的にみても競技力の高い県と言える。その中でインターハイ出場を決めるのは容易なことではない。杜若、豊田西、東郷と全国で活躍するレベルのチームは複数ある。三好高校は愛知の公立校で現段階ではカヌーの強豪校と言えるチームではない。中学からの経験者もいれば、当然未経験で入部してくる生徒もいる。部員の数も5人入部してくる年もあれば0の年もある。そんな特別では無いチームがどのようにインターハイ出場を果たしたのか。

三好高校 カヌー部顧問 田中直美先生に話を聞いた。

カヌースプリント 愛知県立三好高校カヌー部 練習メニュー
練習メニューを書き出すカヌー部顧問 田中先生

田中先生:三好高校の部員はシングルで勝てなくても、フォア(K-4)で勝とうという意識を皆で共有してます。シングルで出場できるのは結局1人です。もちろんシングルで狙える子には狙ってもらいます。しかし、現実的に皆が狙える訳では無い。チームとしてインターハイへ行こうという意識を強く持っています。

−フォアでインターハイを目指す難しさについて

田中先生:どこのチームも同じだと思いますが、フォアのメンバーの漕力はバラバラです。うちの場合だと一番速い子と遅い子の差は約10秒。速い選手についていくしか無いので、当然個々の漕力を上げるよう個別で指導もしますし、速い選手にはメンバーへの理解も必要という話もします。2019年は4月からの1ヶ月半で15回程フォアの練習をしました。その中で、個々のメンバーの漕力の底上げができ、シングルの漕力も向上していきました。
 フォアであればメンバーの中で遅い子がプレッシャーを強く感じる事もあります。自分のせいで負けるのではないかと。でも、そこはあえてプレッシャーをかける言葉を使いました。インターハイ出場はあなたにかかってるよと。人には成長するタイミングがあると思っていて、その選手の可能性として、まだまだ絶対伸びると思えたのでそのような声がけをしました。選手は毎日のように不安を感じますが、その都度、個別でフォローする時間を作るようにしました。

カヌースプリント 愛知県立三好高校カヌー部

−生徒に大切にしてほしい事

田中先生:『人間力無くして、競技力の向上無し』私が常々生徒に伝えてる言葉です。感謝する事とか挨拶する事、多くの人に支えられてカヌーが出来てるという気持ちを大切に競技に向き合って欲しい。競技の結果ではなく、それが出来れば十分なんです。カヌーを通して何を学んだかというところが、卒業後に活きて欲しい。カヌーを辞めても、大人になった時、あんな事言われた、やってきたなって。それが大事なんだと思います。人に支えられてる事って今は分からなくても、結果が出た時、誰かが喜んでくれてる姿を見た時、気付けたりするから、その為にも結果を出さなきゃなって思います。

カヌースプリント 愛知県立三好高校カヌー部 インターハイにて
2019 インターハイにて カヌースプリント 三好高校 WK-4 撮影:田中先生

今回、田中先生との話の中に「カヌーノート」という言葉が出てきました。先生と生徒の交換日記のようなものです。練習での疑問、感じた事、不安、何でも書いて良いそうです。毎日全員に先生は返事を書きます。それなりの時間がかかる事は想像が出来ました。このチームに感じるのは「素直さ」。田中先生は生徒を信頼してると言ってました。厳しい言葉をかけてもその奥の意味を感じてもらえる信頼関係がこのチームにはあるようです。
おそらく「カヌーノート」の存在がこのチームの強みの一つです。

カヌースプリント 愛知県立三好高校カヌー部 トレーニング風景
カヌースプリント 愛知県立三好高校カヌー部 インターハイ出場
2019 インターハイにて カヌースプリント 三好高校 WK-4 撮影:田中先生

INSTAGRAM

This error message is only visible to WordPress admins
Error: Connected account for the user shinjifphoto does not have permission to use this feed type.
PAGE TOP